資産運用会社、データ分析をより活用する傾向に

▼MiFID IIが市場トレンドに影響
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
Linedata社が資産運用会社を対象とした調査を行いました。
その結果、MiFID II(第2次金融商品市場指令)の導入に伴う
市場の混乱の中で、バイサイドが投資した資産を守り、
投資を成功させるために、データ分析を活用したプロジェクトを
重視していることがわかりました。

MiFID IIが導入されてから、資産運用業界では新しい動向や
トレンドが数多く生まれています。

▼MiFID II:不安から対応へ
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
2019年は、経営効率の向上とベンチマーク越えのリターンを
獲得するための取り組みが再び大きく注目されるようになりました。
その中でも、特に次の2点が注目されています。

・今まで活用しきれていなかったデータを活用するための取り組み
・データ分析の外部委託。高度なデータ分析、資産運用会社の
投資成績向上へのフォーカス、クライアントへのサービスの向上を実現

バイサイドにとっての昨年の課題として一番多く挙げられたのが、
新規制(44%)でした。その規制が施行された現在、
バイサイドにとっての最も大きな課題として、次のような回答がありました。

・投資成績の維持(34%)
・新規クライアントの資産獲得(33%)
・運営効率の維持(33%)

また、データ分析を活用できるチャンスが最も多いエリアとして、
投資戦略に関する意思決定を挙げた回答者は23%に上りました。

▼新テクノロジーが与える脅威への不安は減少傾向
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
ブロックチェーンや人工知能を活用したロボアドバイザーが
今後5年間の資産運用業界にとって最大の脅威となると考える
バイサイドが減少していることもわかりました。

・今後5年間の資産運用業界にとって最大の脅威は
ロボアドバイザーである:7%(2018年は22%)

・今後5年間の資産運用業界にとって最大の脅威は
ブロックチェーンである:12%(2018年は16%)

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
◆参考・出典一覧
IR Magazine
『Mifid II: Asset managers focusing on digitization projects』
https://www.irmagazine.com/technology-social-media/mifid-ii-asset-managers-focusing-digitization-projects

ESG投資を行う機関投資家、過半数越えへ

BNP Paribas Securities Services社が、
347社の機関投資家(178社の資産運用会社と169社の
アセットオーナー)を対象とした調査を行ったところ、
ESG投資が増加していることが判明しました。

資産運用会社やアセットオーナーの過半数が、
国連の持続可能な開発目標に沿った投資を行うようになってきています。
投資額の25%以上でESG投資を行う機関投資家の割合は
次のように変化しました。

・今年:資産運用会社75%、アセットオーナー62%
・昨年:資産運用会社48%、アセットオーナー53%
・2021年までに、25%を超える資産をESG投資に割り当てると
回答した企業:90%
・今後5年において、ESGポートフォリオの投資成果が向上すると
考える回答者:60%

ESG要素を投資プロセスに組み込むにあたっての課題については
次のような回答がありました。

・ESGデータ
・ESGを統合するためのコスト 
・高度な分析スキルの欠如
・ESG投資であることを新しく表明することにまつわるリスク
・テクノロジー関連のコスト

専門家によると、投資家はESG投資をより重視するようになっており、
社会的意義と投資成績の両方を追及したいと考えています。

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
◆参考・出典一覧
IR Magazine
『Asset managers align investments with UN Sustainable Development Goals』
https://www.irmagazine.com/esg/asset-managers-align-investments-un-sustainable-development-goals

プレイン・イングリッシュで企業のストーリーを語る

「優れた語り手は、興味を惹きつけてやる気を起こさせるだけでなく、
変化に対して心を開かせます。優れたブランドやビジネスの
成功の裏には必ず優秀な語り手が存在します。」マイケル・ライト

IR担当者は、ストーリーを語るためのテクニックを使用して
影響力を高めるべきであるという話は多く耳にします。
しかし同時に、プレイン・イングリッシュも使用するべきであるとも
言われています。いったいどちらを優先すればいいのでしょうか?
その答えは、「両方」です。

優れた語り手は、ストーリーをシンプルに語ります。
シンプルにすることで、オーディエンスの注意を惹き、
楽しませるため、ストーリーを覚えてもらえる可能性が高まります。
そうすることで、覚えた話を誰かに話してもらったり、
引用してもらえるチャンスが増えるのです。

オーディエンスが思わず助けたくなるのが、優れた語り手です。
弊社の顧問がこんな話をしてくれました。

彼女は自分の5歳の子供によく絵本を読んでいるそうです。
絵本を読んでいる際に、彼女が口にする前に子供のほうが
決めゼリフを口にすることがあります。

子供はページに描かれた絵を見て、彼女が語っている内容を聞き、
タイミングよく決めゼリフを口にするのです。

このとき、彼女は自分がストーリーをうまく伝えられている
ということを実感するそうです。子供のほうも誇らしい気持ちになり、
彼女もまた子供が本を読むことを覚え、本が好きであることに
誇らしい気持ちになります。

幼稚園児だけに留まらず、大人である投資家にとっても、
誇らしい気持ちになり、役に立っていると感じることは快感となります。
そのため、ストーリーに聞き入って参加するうちに、
自分がソリューションの一部となることを望むようになるのです。

企業は投資家を敵に回したいとは考えておらず、
建設的な戦力として自分側について欲しいのですから、
非常にうれしい効果です。

簡単に思い出すことができ、自分に関係があると
感じてもらえるストーリーを提供することで、
聞き手の記憶に残すことができます。

記憶に残るということは、価値があるということでもあります。
聞く価値があり、読む価値がある、繰り返す価値があるのです。

このようなストーリーを聞いた投資家は、まるで企業にとっての
スポークスマンのように、書面に書かれただけのストーリーを
さらに広い世界へ広げてくれるのです。そしてそこに欠かせないものが
プレイン・イングリッシュの表現です。

「情報」や「ストーリー」が洪水のようにあふれる現代、
オーディエンスに切り捨てられないためにシンプル、
明確に表現するためのプレイン・イングリッシュをぜひ活用ください。