英語の箇条書きをマスターする

プレインランゲージに役立つ箇条書きの特徴と仕組み

プレインランゲージでは箇条書きを使うことが推奨されています。箇条書きは言いたいことを読者に、より短時間で明確に理解してもらうためにとても役立つスタイルです。IR文書では、多忙な投資家に文書を読み続けてもらうためのポイントになります。

英語が母国語ではない方からすると、箇条書きが使えると思うとほっとすると同時に、ルールがわからずに混乱することも多いのではないでしょうか。書かなければいけない単語数が少なくて済む点は素晴らしいですが、箇条書きには主語と動詞に関する基本的なルールがあります。今回はシンプルな日本語で、英語での箇条書きの特徴と仕組みを紹介します。

箇条書きの何が良いのか?

オーストラリアのプレインランゲージの専門家であるアンドリュー・ペグラー氏が作成した例を見ていきましょう。リライト前の長い文を読まなくても、リライト後の箇条書きを読むだけで

  • 端的である
  • 整理されている
  • 流し読みしやすい

などの点に気が付くのではないでしょうか。

箇条書きの構成のポイント

この例から読み取ることができる、英語で箇条書きをする際の具体的なポイントを紹介します。ぜひ皆さまも英文作成の際に活用してみてください。

  • 並べられたすべての項目は互いに関係している
  • 短くまとめる(各項目は3行以内に収めましょう)
  • 並列させる項目には同じスタイルを使う
    • 基本は能動態または名詞の羅列にする
    • 能動態と受動態などの異なる構成を混在させない
  • 各ポイントの最初に重要な点を書く(流し読みしやすい箇条書きにする上で必須です)
  • 文章の場合は最後にピリオドを付ける(名詞の羅列などの場合は不要です)

オールキャップスを多用していませんか?

今回はキャピタライズシリーズ第2弾として、オールキャップス(全ての文字を大文字にすること)についてご説明します。

ネイティブスピーカーでない方が英語で文章を書く際、強調したい文章や単語を全て大文字で表記していることがあります。同様に、大文字表記が正式名称の企業名などを文章中でもそのまま表記しているケースも数多く見られます。(企業名のキャピタライズルールについては、前回の記事をご覧ください。)

実は、不用意にオールキャップスを使用することは推奨できません。その理由は大きく2つあります。

一つ目は、語気が強く感じられるためです。
オールキャップスで書かれている文章は「うるさい文章」とされており、会話に例えると叫んでいるような印象になります。そのため、読み手にとってはどこか怒っているように感じられてしまい、意図せず読者を不愉快にさせてしまう可能性があります。

二つ目は、文章が読みづらくなるためです。
アメリカの学者の研究で、全て大文字で書かれた文章は頭文字のみ大文字の文章と比べて読む速度を著しく遅らせることがわかっています。
また全文を大文字で表記していない場合でも、文章中に登場する企業名や地名、人名などをオールキャップスにすると、ネイティブにとっては単語が急に不自然に強調されているように感じられ、読みづらいと思われることが多いです。

このように不必要なオールキャップスは避けるべきですが、逆に使用すべき場面もあります。それは、頭字語の場合です。
頭字語とは、複数の単語のまとまりを頭文字だけに省略した言葉のことです(例:METI [Ministry of Economy, Trade and Industry])。このような言葉は全て大文字で表記することが一般的です。逆を言うと、頭字語でないのにオールキャップスにしていると、何らかの略称と誤解されてしまうこともあります。

適切なキャピタライズルールを覚え、ネイティブにとって自然で読みやすい英文を実現しましょう。