国際プレインランゲージの日

プレインランゲージでコミュニケーション能力を高める

10月13日は国際プレインランゲージの日でした。この日を記念して、プレインランゲージを使うヒントや身に着ける方法を見ていきましょう。

コンテンツを変えられない時に、プレインランゲージが活躍

ビジネスライティングでは、コンテンツが決まっており、内容を変えられない場合が多くあります。そのような場合にプレインランゲージを使うことで、「伝わり方」を大きく改善することができます。「どのように書くか」で優れたコミュニケーションを実現することができます。

最小限の単語数でメッセージを伝える

オーストラリアのプレインランゲージ専門家Andrew Peglerはプレインランゲージを使った文書を次のように説明しています。

「1度読んだだけで意味がわかる、明確で端的なライティング。また、流し読みをして必要な情報を見つけやすい文書。真意がすぐに伝わり、専門用語を多用していない。単語の数は必要最小限でありながら、必要な言葉は省略していない。」

わかりやすく短い文章を書くには、労力がかかる

米国の有名な作家マークトウェインは、かつて「短い手紙を書く時間がないから、長い手紙を書く」と言っています。つまり、文章を短くシンプルに書くには労力がかかります。何を伝えたいのかを時間をかけて考え、何度も書き直す必要があるからです。

プレインランゲージも、優れたコミュニケーションツールであると同時に、習得に鍛錬が必要なスキルでもあります。

プレインイングリッシュを使った英訳で気を付ける点

翻訳にもプレインランゲージは重要になります。日本語をプレインイングリッシュに翻訳する際には、特に次のことに注意しましょう。

  1. 長い文は避けます。ひとつの文に、複数のアイデアを詰め込まないようにします。また、ひとつの文の単語数はできるだけ20単語以内に収めます。
  • 不正確な句読点の使い方に気を付けます。オールキャップス(すべての文字を大文字にすること)は避けて、代わりに、ボールド、イタリック、または別の色のフォントを使います。日本語で鍵括弧が使われても、英語では引用符をつかわない方が良いケースが多くあります。
  • 受動態はなるべく使わないようにします。日本語が受動態の場合でも、英語では能動態を使います。
  • 冗長な単語や、同じ意味の繰り返しを避けます。特に同じ段落で繰り返される単語がないかを確認します。また、文書全体を通じて、同じ意味の文が繰り返されていないかを確認します。

テクノロジーで株主投票を民主化する

個人投資家も委任状投票が簡単にできる未来

昨年、資産運用会社大手のブラックロック社は、機関投資家を対象にテクノロジーを活用して委任状投票をより簡単に行えるプラットフォーム「Voting Choice」を導入しました。そして今年、英国で投資信託を行う個人投資家の一部にもVoting Choiceが提供されるようになりました。

年金基金が票を独占する時代の終わり

これまで委任状投票を利用してコーポレート・ガバナンスに積極的に関与してきたのは年金基金が中心でした。しかし、個人投資家を含むより多くの投資家がより簡単に、より効率的にコーポレート・ガバナンスに関与できるような仕組み作りに大手投資機関が取り組み始めています。Voting Choiceもその流れの一環です。

年金基金以外の株主がVoting Choiceを使って委任状投票を行うようになることで、今までより多様な考え方をもつ株主が投票するようになります。それにより、企業の経営陣は重要なガバナンス問題に対する幅広い株主の意見を知ることになります。

ブラックロック社CEO ラリー・フィンク氏は、浸透には時間がかかるとしながらも、Voting Choiceが株主民主主義の土台を強化し、ガバナンスに革命を起こすと予測しています。

不明瞭な未来にプレインランゲージで備える

これまで、IRの対象は主にファンドマネージャーや機関投資家を中心とする、金融プロフェッショナルでした。しかし、この一連の動きで、より多様な投資家層へIRの対象が変化していくことを意味します。この変化はゆっくりと、スピードを変えながら進んでいくことが予測されます。

個人投資家が好むトピックスや投票事項の傾向を予測し、具体的に対応することも一つのIR戦略です。その際、株主コミュニケーションにおいて専門用語を使わず、プレインランゲージを使うことは、オーディエンスの変化のスピードにかかわらず有効で堅実な戦略であると言えます。