ESG投資で存在感を増すAIツール

客観的で継続的なデータ収集が実現

あらゆる投資家が、環境・社会・企業統治(ESG)への取り組みを投資判断に欠かせない情報として認識する時代になりました。また、2023年度はAIが大きく注目されました。こうした状況の下、サステナビリティ評価など、ESG関係のAIツールが注目を集めています。

AIツールがサステナビリティ評価にもたらす革新

従来のサステナビリティ評価や投資ポートフォリオ作成は、専門家による手作業を中心に行われていました。しかし、この方法は時間とコストがかかっていました。また客観性という点でも課題がありました。

近年では、AIツールを活用することで、膨大なデータを高速かつ効率的に分析し、より客観的で正確なサステナビリティ評価や投資ポートフォリオの作成が実現しています。また、リアルタイムデータの収集や分析も可能になるため、企業の取り組みを継続的に評価することができます。

あらゆる場面でAIツールが活躍

ESG投資では次のような場面でAIツールが活躍しています。

投資ポートフォリオの作成:膨大なデータを収集・分析して、ESGの基準に沿ったポートフォリオを構築。

データ管理:企業のパフォーマンス評価をする際に活躍。温室効果ガス排出量の計算や多様性目標のモニタリングなど、透明性と信頼性を高め、持続可能な成長を実現することができます。

サステナビリティ評価:ESG評価を推定し、サプライチェーンの評価や投資判断の指針とするなど、さまざまな用途で活用されています。

センチメント分析:AIとオンラインニュースソースを組み合わせたセンチメント分析ツールは、リアルタイムで分析結果を提供することで、グローバル規模での情報の流れと組織の意思決定を強化します。

AIを活用した代表的なサービス

いったいどのようなサービスでAIが活躍しているのでしょうか。代表的なサービスを簡単に紹介します。

Owl Analytics:AIと機械学習(ML)と専門家による品質管理を組み合わせ、ESGデータを投資戦略に統合します。

IBM Environmental Intelligence Suite:IBMが提供するAIを活用したSaaSソリューションです。気象データと気候変動の地理空間データを組み合わせて、持続可能な金融と投資に関する分析を行います。

Clarity AI:200カ国の3万社以上の企業のESGデータを分析し、企業のESG評価を推定します。

Symanto:数千件のソーシャルメディア投稿やその他の非構造化データソースを分析し、ESG関連問題に対するユーザーの反応を測定します。

AIツールは、ESGの未来を大きく変える可能性を秘めています。AIツールの台頭によって、より客観的で効率的なサステナビリティ評価が実現すると考えられています。

英語には三つの語源がある?

プレインイングリッシュにおいては、親しみやすく平易な英単語や日常的な英語表現を使うことが重要になります。今回はプレインイングリッシュをより深く理解するために、英語の三つの語源についてご紹介していきます。

現在の英語の語源として、「英語本来語」、「フランス語」、「ラテン語」の三つが挙げられます。英語圏は一時期フランスの支配を受けたことによって、外来語である「ラテン語」とラテン語をルーツに持つ「フランス語」の影響を受けることになりました。現在の英語の六割はフランス語、もしくはラテン語からの借用語であると言われています。
下の図では、同じ意味を持つ「英語本来語」、「フランス語系」「ラテン語系」の英単語をまとめています。

〇三つの語源の類義語群

英語本来語 フランス語系(借用語) ラテン語系(借用語)
Ask Question Interrogate
Go Depart Exit
Help Aid Assistance
Rise Mount Ascend
Gift Present Donation

これらの語源の異なる英単語には、次のような特徴がそれぞれあります。
「英語本来語」…平易で温かみがあるイメージ。
「フランス語系」…中立的で無色透明な語感を持つイメージ。
「ラテン語系」…高尚、人を寄せ付けない高尚なイメージ。


出典:
連載 第6回 なぜ英語語彙に3層構造があるのか?
(https://www.kenkyusha.co.jp/uploads/history_of_english/series/s06.html)
第18回 なぜ英語とフランス語は似ているの? 三省堂ことばのコラム
(https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/ghf18#notes)


プレインイングリッシュでは「英語本来語」がおすすめ!

〇英語語彙の三層構造

「ラテン語系」の単語は音節が多く読みにくいものが多い一方、「英語本来語」は平易で読みやすく、日常生活の中で多く使われています。プレインイングリッシュのガイドブックでも、この「英語本来語」を使うことが推奨されています。

「この英単語はあまり聞きなれないな」または「ちょっと長いな」と感じるものがあれば、外国を由来に持つ「フランス語系」や「ラテン語系」の単語であるのかもしれません。そんな時は、シンプルで聞き馴染みのある「英語本来語」に言い換えてみると読みやすさが高まるので、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。