多言語翻訳の留意点

弊社では、英語以外の言語の翻訳依頼も数多くお問い合わせをいただいております。今回はその中でもご依頼の多い言語について、特有のルールや翻訳時の留意点についてご紹介します。

中国語

中国語には「簡体字」と「繁体字」の2種類があり、地域によって使われる字体が異なります。「簡体字」は従来の漢字を簡略化した字体体系となり、北京や上海など中国大陸の方に向けた文章を作成するときに用いられます。「繁体字」は系統的な簡略化を経ていない、筆画が多い漢字の字体体系です。台湾、香港、マカオの方に向けた文章を作成するときには、繁体字を用いるのが一般的です。

タイ語

タイ語は改行の位置が変わることで、その言葉の意味自体が変わり誤解を招く可能性があります。例えば「単語」の途中で改行を入れてしまうと単語として成り立たなくなってしまいます。また、ベトナム語についても改行によって意味が変わることがありますので同様に注意が必要です。

スペイン語

スペイン語を使用する人口は、英語や中国語に続き、世界で3、4番手を争う人数といわれています。しかし、中国語同様に使用地域を確認することでよりスムーズなコミュニケーションが可能になります。スペイン語には「エスパニョール(スペイン本土向け)」と「カスティリャーノ(中南米(ラテンアメリカ)向け)」の2種があり、基本的にはどちらを利用しても相互間での理解はおおよそ可能です。ただし、同じ意味でも使用する単語の違いや動詞の活用の違いなど、細かな違いが多く見られるため、使用地域によって使い分けることで誤解のないスムーズな対話が可能となります。

今回は一部言語を抜粋してご紹介しましたが、上記のように、各言語によって翻訳時の注意点は異なります。翻訳をご依頼の際には事前に対象地域をご指定いただくとスムーズな手配が可能です。もちろん、対象地域をご存知でなくてもご提案が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

簡体字と繁体字:同じ中国語なのに、何が違うのでしょうか?

弊社にご依頼いただく翻訳の中で、英語に次いで多いのが中国語です。数多くの言語がある中、中国語は世界でも多く使われている言語です。毎年の訪日人数が断トツ上位の中国観光客向けの案内や、中国現地の会社で使われるマニュアルなど、中国語の翻訳依頼は年々増えています。

そこで、一言「中国語」と言っても、地域によって使われている中国語が異なることはご存知でしょうか。中国語には「簡体字」と「繁体字」の2種類があり、地域によって使われる字体が異なります。

簡体字(かんたいじ、Simplified Chinese)は従来の漢字を簡略化した字体体系です。北京や上海など中国大陸の方に向けた文章を作成するときには、簡体字が一般的です。中国大陸のほか、シンガポールやマレーシアなどでも使われています。

繁体字(はんたいじ、Traditional Chinese)は、系統的な簡略化を経ていない、筆画が多い漢字の字体体系です。台湾、香港、マカオの方に向けた文章を作成するときには、繁体字が一般的です。日本の漢字は主に繁体字から由来しているため、日本人から見ると繁体字の方が何となく意味がわかることが多いといえます。

また、簡体字と繁体字は字体が異なるだけでなく、用語も異なる場合があります。例えば「ビデオ」というのは簡体字では「视频」になりますが、繁体字は「視訊」になります。実は中国語のネイティブであれば、簡体字も繁体字も読める人がほとんどです。しかし、翻訳時には、やはり普段の習慣に合わせることが重要なので対象によって選びましょう。

中国語のほかに、スペイン語も本国のスペイン語と中南米のスペイン語があります。ご依頼の際には事前に対象地域をご指定いただくとスムーズな手配が可能です。もちろん、対象地域をご存知でなくてもご提案いたしますので、お気軽にご相談ください!