プレイン・イングリッシュで企業のストーリーを語る

「優れた語り手は、興味を惹きつけてやる気を起こさせるだけでなく、
変化に対して心を開かせます。優れたブランドやビジネスの
成功の裏には必ず優秀な語り手が存在します。」マイケル・ライト

IR担当者は、ストーリーを語るためのテクニックを使用して
影響力を高めるべきであるという話は多く耳にします。
しかし同時に、プレイン・イングリッシュも使用するべきであるとも
言われています。いったいどちらを優先すればいいのでしょうか?
その答えは、「両方」です。

優れた語り手は、ストーリーをシンプルに語ります。
シンプルにすることで、オーディエンスの注意を惹き、
楽しませるため、ストーリーを覚えてもらえる可能性が高まります。
そうすることで、覚えた話を誰かに話してもらったり、
引用してもらえるチャンスが増えるのです。

オーディエンスが思わず助けたくなるのが、優れた語り手です。
弊社の顧問がこんな話をしてくれました。

彼女は自分の5歳の子供によく絵本を読んでいるそうです。
絵本を読んでいる際に、彼女が口にする前に子供のほうが
決めゼリフを口にすることがあります。

子供はページに描かれた絵を見て、彼女が語っている内容を聞き、
タイミングよく決めゼリフを口にするのです。

このとき、彼女は自分がストーリーをうまく伝えられている
ということを実感するそうです。子供のほうも誇らしい気持ちになり、
彼女もまた子供が本を読むことを覚え、本が好きであることに
誇らしい気持ちになります。

幼稚園児だけに留まらず、大人である投資家にとっても、
誇らしい気持ちになり、役に立っていると感じることは快感となります。
そのため、ストーリーに聞き入って参加するうちに、
自分がソリューションの一部となることを望むようになるのです。

企業は投資家を敵に回したいとは考えておらず、
建設的な戦力として自分側について欲しいのですから、
非常にうれしい効果です。

簡単に思い出すことができ、自分に関係があると
感じてもらえるストーリーを提供することで、
聞き手の記憶に残すことができます。

記憶に残るということは、価値があるということでもあります。
聞く価値があり、読む価値がある、繰り返す価値があるのです。

このようなストーリーを聞いた投資家は、まるで企業にとっての
スポークスマンのように、書面に書かれただけのストーリーを
さらに広い世界へ広げてくれるのです。そしてそこに欠かせないものが
プレイン・イングリッシュの表現です。

「情報」や「ストーリー」が洪水のようにあふれる現代、
オーディエンスに切り捨てられないためにシンプル、
明確に表現するためのプレイン・イングリッシュをぜひ活用ください。