翻訳時に注意すべきアメリカ英語とイギリス英語の違い

弊社が推奨しているプレインイングリッシュの9つの原則の中に「対象読者を明確にする」という原則があります。日本語から英語に翻訳する際にも、対象となる読者や地域がアメリカ英語なのかイギリス英語なのかしっかりと確認する必要があります。今回は、両者の違いを翻訳時に注意すべきポイントに絞って見直してみましょう。日本ではアメリカ英語を学習している人が多いため、イギリス英語は少し聞き馴染みのない表現もあるかもしれません。

1.単語
同じ意味でもアメリカ英語とイギリス英語では用いる単語が異なります。

日本語 アメリカ英語 イギリス英語
サッカー soccer football
映画 movie film
fall autumn

2.つづり
つづりによる違いも見られます。

日本語 アメリカ英語 イギリス英語
color colour
中央 center centre
~を組織する organize organise

3.前置詞
前置詞の使い方や、前置詞そのもののつづりが異なるものがあります。

日本語 アメリカ英語 イギリス英語
週末に on the weekend at the weekend
~のあちこちに around round

4.ライティングルール
・日付の表記 以前の記事でもご紹介したとおり、アメリカ式とイギリス式では日付の表記が異なります。
・組版 アメリカ英語はシカゴルールに、イギリス英語はオックスフォードルールに従うのが一般的です。
シカゴルールについてはオンライン版があるので、ご興味がある方はぜひご覧ください。

いかがでしたでしょうか。同じ英語でも様々な部分で異なる言語であることがご理解いただけたと思います。両者の違いを改めて認識し、翻訳する際にもターゲットとなる地域にあわせた英語表記にすることが大切です。

IRの世界でも注目のAI

精度と効率を高めたコミュニケーションが実現する可能性

AI(人工知能)を使ったツールが注目されています。金融業界の大手は既に大規模にAIツールを導入しており、IRの世界でも広く活用されることが期待されています。

AIツールを使うことで、投資家とのコミュニケーションの質を高め、より多くの情報に基づいた意思決定を行い、より効果的なリスク管理ができると考えられています。今回は、AIツールを活用すると、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。

自動でのデータ分析と解釈が実現

財務データ、ニュース記事、ソーシャルメディアへの投稿など、企業の株価に影響を与える情報を含む大量のデータの分析と解釈を自動化することができます。市場センチメントや競合他社の動向など、企業の業績に影響を与える要因に関する貴重な洞察を今まで以上の精度と効率で得ることができます。

リアルタイムで投資家センチメントを知る

リアルタイムで市場イベントをモニタリングし対応するのにも役立ちます。ソーシャルメディアの投稿、ニュース記事、その他一般に入手可能なデータをモニタリングし、潜在的投資家のセンチメントを判断できます。たった1つのツイートやニュース記事が即座に企業の株価に影響を与える可能性がある今の時代に特に重要です。

精度の高い投資家ターゲティング

適切なタイミングで適切な投資家を特定し、ターゲティングするために使用できます。また、投資家にとって最も重要なトピックを特定し、それに応じてIRコミュニケーションをパーソナライズすることも可能です。 

投資家との情報共有が簡単に

チャットボットなどのAIを活用したツールで、一般的な質問に回答し、基本的な情報を迅速かつ効率的に提供することができます。機械的でない、パーソナライズされた方法で使用します。また、AIの使用を表明することは、信頼関係を築く上で重要です。

リスク管理の改善

潜在的なリスクを特定し、それを軽減する戦略を策定することで、企業がより効果的にリスクを管理するのにも役立ちます。

課題は信頼とプライバシー

AIツールによって生成された情報が正確で信頼できるものであることを保証することは大きな課題です。また、AIによって提供された情報の責任をだれが持つのかも課題になっていくと考えられます。

また、AIツールの使用による知的財産権の違反やデータやプライバシーに関する課題の可能性も考慮し、注意していく必要があります。

変わる時代に重要な明確なコミュニケーション

大きな可能性を秘めたAIが世界を変える日も遠くないかもしれません。それでも、IRの基本であるシンプルで明確な言葉を使ったコミュニケーションが重要であることは変わることはありません。

メールでのプレインイングリッシュ活用法

効果的な英文メールを作成するための心得とは?

海外の方とやり取りを行う際、日本語で文章を書いて、機械翻訳に掛け、いざチェックをしてみると、「何が言いたいか分かりづらい!」と思うことはありませんか。

日本語と英語は言語の性質が異なります。このため、日本人を相手に書く日本語をそのまま直訳しても相手に理解されなかったり、メールの内容を最後まで読んでもらえなかったりすることは多々あります。

原因として考えられる点は次の3つです。

  1. 伝えたいメッセージが整理されていない
  2. 文章が複雑/遠まわしな表現で分かりにくい
  3. 文字がぎっしり詰まって、読む気が起きない

では、どのようにしたら相手に容易に理解してもらい、行動を促すことができるでしょうか。

実は、効果的な英文メール作成の心得として次の3点があります。

  1. 伝えたい内容を整理する
  2. 簡潔で分かりやすい英文にする
  3. タイトルやレイアウトを工夫する

今日はこの心得のうち、最も重要なポイントである内容の整理について解説します。

内容の整理とは?

メールの目的を把握しましょう。次に、読み手/書き手にどのようなアクションを起こして欲しいのか、具体的に設定しましょう。

5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)の観点で整理すると漏れなくダブりなく情報を伝達できます。

日本語は特に「誰が」である主語が抜けがちです。主語が抜けていると機械翻訳を使った場合でも、誤訳に繋がります。

目的と5W1Hを意識することで、効率的なメールを作成できます。ぜひ実践してみてください!