日常的な単語や表現を使う~実践~

本メールマガジンではプレインイングリッシュの重要性やポイントをご紹介してまいりました。

公文書でのプレインイングリッシュの使用が義務付けられているアメリカ。「効率的に要点をつかめ、速く読め、理解しやすい」プレインイングリッシュによって多方面でその効果を発揮しています。

過去、アメリカ退役軍人省の障害年金受給案内にてプレインイングリッシュの導入前後でひとりの担当者に対し問合せ案件が94件から16件に減少したという報告も出ています。業務効率の向上、市民のストレスの軽減につながりました。

使うことで様々なメリットがあるプレインイングリッシュ。今回はより具体的にプレインイングリッシュに触れることができるリストをご紹介いたします。

Use simple words and phrases (plainlanguage.gov)

このサイトではプレインイングリッシュとして推奨される単語・句240個のリストがあります。また、使用しないほうがよい表現も併せて記載されています。Don’t say/Sayとして区分されており、ご自身が作成した英文を検証することが可能です。

リストから一部抜粋

Don’t say Say日本語訳
equitablefair公平な、公正な
expirationend〔契約などの〕終了、満了、満期
frequentlyoften頻繁に
in the amount offor~の量の
maintainkeep, support〔動作を〕持続[継続]する、
〔現状を悪化させないように〕保つ

作成した英文や日頃使っている単語とリストを照らし合わせてみては、いかがでしょうか。

  • 予想以上にDon’t’ sayの単語を多く使っていた。
  • Don’t Say/Sayを比較してSayの単語はスッと理解できた。

などのさまざまな発見があったかもしれません。

プレインイングリッシュの大切なポイントは理解したけれども、実践するとなると難しい。そんな皆様はぜひリストを参照しDon’t SayをSayに置き換えて使ってみることから始めてみましょう!


出典:
『アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア 政府公認
伝わる短い英語 新しい世界基準 Plain English』
浅井満知子著(東洋経済新報社)
plainlanguage.gov(An official website of the United States government)
Home (plainlanguage.gov)

プレインイングリッシュの秘訣

改めてプレインイングリッシュの基本を見直してみましょう。今回は、読み手に伝わる文章を書くためのコツを3点に絞って紹介します。

Business man’s hand pointing at POINT” word on white board
  1. 意味のない単語はドラフトの段階で削除する

文章を書くときに、なんとなく耳障りの良い言葉を使ってしまうことがあると思います。しかし、耳障りが良いだけの単語はプレインイングリッシュでは必要ありません。ドラフトを推敲する際に、削除しましょう。

例えば、英語で使われがちなのはgenerally(一般的に)、basically(基本的に)、actually(実際に)、kind of(ある意味)、really(本当に)、virtually(事実上)、totally(完全に)、essentially(本質的に)、completely(完全に)、practically(実質的に)、literally(文字通り)、just(ただ)などがあります。

よく耳にする一般的な表現で、英語として問題はありませんが、特に意味を持ちません。

ちなみに、日本語の英訳では、namely(すなわち)、regarding(~に関して)、in so far as(その限りにおいて)、that is to say(つまり)、concerning(~に関して)、moreover(さらには)といった単語を多く目にします。日本語から直訳されているのですが、意味がないと判断できる場合、翻訳しないことで、伝わりやすい高品質の英訳を実現できます。

2.冗長な部分は削除する

同じような考えやアイデアを繰り返すことは避けます。ドラフトを読み返し、繰り返しを見つけたらハイライトするとよいでしょう。統合レポートのような複数の人が参加する大きなプロジェクトの場合、全員がアクセスできるようにオンラインツールを活用すると、作業を効率化することができます。

3.自分を主語として語らない

自分を主語として語ってしまうと、文章が長くなってしまい、読み飛ばされたり、最後まで読んでもらえない可能性が高くなります。より簡潔で直接的、かつ要点を押さえた文章にするためには、主語を工夫します。

例を使って説明します。

修正前:

I want to point out a few challenges we face with the current staffing environment. They are: x, y, and z.

訳:私は、現在の人材配置状況で直面しているいくつかの課題を指摘したいと思います。それはx、y、zです。

修正後:

Our current staffing challenges include, x, y, and z.

訳:人材配置に関する現在の課題は、x、y、zです。

書き手を主語として語っている修正前の文では、単語数も多く重要な情報が最後にきてしまっています。修正後は、より少ない言葉で、ポイントを的確に伝えることができています。

3月2日(木)Nikkei Asia IRセミナーに弊社顧問の堀田祐介が登壇します!

Nikkei Asia IRセミナー

海外投資家が来日!いま求められる海外IRとは

【本セミナーについて】

米国で日本株の調査を行うKaname Capital槙野 尚氏、数多くの投資先と対話を行ってきたエミネントグループ代表取締役社長CEO小野塚 惠美氏が登壇。アクティブ投資家や機関投資家の着目点を探ります。サステナブルファイナンス・非財務を含めた情報開示などをキーワードに、2023年度の株主総会や統合報告書制作に向け、効果的なグローバル情報発信を行うために不可欠な要素を浮き彫りにします。

弊社からは明日から実行できる海外IR対策として、海外投資家とのコミュニケーションに不可欠なプレイン・イングリッシュについて顧問である堀田 祐介が紹介いたします。2023年ISO規格化予定で注目を集める「プレイン・ランゲージ」。今回はその中でもプレイン・イングリッシュを書くためのヒントを、ぜひ持ち帰っていただけたらと存じます。 今回講演自体は限られた時間となりますが、講演後に講師と直接話ができるネットワーキングの場もございます。皆様のお申し込みをお待ちしております!

※本イベントはリアル会場でのみの開催となります。

【セミナー概要】

開催日時:2023/3/2(木) 17時~18時30分

会場:    スペースNIO (東京都 千代田区大手町 1-3-7 日本経済新聞社 2F)

*本イベントはリアル会場のみで開催します。

受講料:無料

主催:    日本経済新聞社グローバルイベントユニット

定員:50名 
※申し込み多数の場合は抽選のうえ、事前にご登録いただいたメールアドレス宛にご連絡いたします。当落の発表は開催前日までに電子メールのご連絡をもって代えさせていただきます。

言語:日本語

お申し込み、詳細はこちら