インクルーシブ・ランゲージ

「インクルーシブ・ランゲージ」について、皆さんはご存じでしょうか?
「インクルーシブ・ランゲージ」は、昨今の多様性やジェンダーの流れの中で注目されている表現方法です。
本日はそんな「インクルーシブ・ランゲージ」について学んでいきましょう!

包括的言語?

インクルーシブ・ランゲージ(Inclusive Language)は、日本語では「包括的言語」と訳されることが多いです。インクルーシブ・ランゲージにおける「包括的(インクルーシブ)」とは、ジェンダーや障がい、人種、民族、年齢、職業など、あらゆる要素を含んだ多様性を包括することを意味しています。インクルーシブ・ランゲージは、このような多様性のある社会の中で差別意識や疎外感を与えない表現方法です。

インクルーシブ・ランゲージの例

インクルーシブ・ランゲージが多様性に配慮した表現方法であることはわかりましたが、具体的にはどのような言葉になるのでしょうか?
インクルーシブ・ランゲージの例として、「policeman」を挙げてみましょう。
以前、「警察官」という言葉は英語では「policeman」と訳されていました。英語圏においても、「policeman」が違和感なく使用されてきました。しかし昨今では、ジェンダー差別的なニュアンスが含まれているとして、「policeman」ではなく、「police officer」という言葉に置き換わりつつあります。

インクルーシブ・ランゲージに置き換わりつつある言葉

「policeman」以外にも、次のようなインクルーシブ・ランゲージの例があります。

以前、使用されていた言葉 インクルーシブ・ランゲージ
ビジネスマン(businessman) ビジネスパーソン(business person)
ボーイフレンド/ガールフレンド (boyfriend/girlfriend) パートナー(partner)
ホワイトリスト/ブラックリスト (whitelist/blacklist) 許可リスト/拒否リスト(allowlist/denylist)

まとめ

これまで違和感なく上記のリストの言葉を使っていた方も多いかもしれません。
少しずつ社会が変わっていく中で、これまでの常識をアップデートしていくという姿勢が必要になってきていると言えるでしょう。

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小学校での英語教育

エイアンドピープルでは、子育てをしながら働いている社員もいます。
子どもたちが学校でどのような英語教育を受けているのか、翻訳会社であるエイアンドピープルの一員としては気になってしまうところ。そこで、本日は教育現場での最新の英語教育について学んでいくことにしましょう。

小学校で英語が必修に??

2020年に文部科学省の発表する学習指導要領の改訂によって、小学校での英語教育が大きく変わりました。具体的な内容としては、小学校3・4年生で「外国語活動」、5・6年生で「外国語」という教科として、それぞれ必修化されるというものでした。
「外国語活動」と「外国語」では、どのような授業をしているのでしょうか?

3・4年生の「外国語活動」

3・4年生の「外国語活動」はいかに英語に親しむかに重点を置いた学習が行われています。
具体的にはクイズや歌、ダンスや、フラッシュカードなどのイラスト教材を使った活動型学習が展開されています。

5・6年生の「外国語」

5・6年生の「外国語」では、3・4年生よりも本格的に英語の基礎力の習得を目的としています。動詞・助動詞の使い方などの基本的な文法学習を行うほか、300~600語程度の語彙力を身につけるための英語学習が行われています。

英語教育が本格化された背景

このように小学校では、これまで以上に英語に力を入れた教育が行われています。
なぜ、小学校での英語教育がここまで本格化されることになったのでしょうか?

これまでの英語教育の反省として単語や文法を覚えることに注力しがちで、英語でコミュニケーションを苦手としている人が多いということが言われています。従来の英語教育ではこのようなコミュニケーション能力の不足によって、国際社会に取り残されてしまう可能性がありました。

そのため、小学校から英語教育を行い、英語を使ったコミュニケーションに長けたグローバル人材を育てるという目標のもと、英語教育が本格化されました。

このように、小学校での英語教育は、子どもたちが将来のグローバル社会で活躍できるようにするための重要なステップとなっています。これからも教育現場での取り組みを注視し、子どもたちの成長を見守っていきましょう。

<参考文献>
『小学校学習指導要領(平成29年告示)』
https://erid.nier.go.jp/files/COFS/h29e/index.htm

『【外国語活動・外国語編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説』
https://www.mext.go.jp/content/20220614-mxt_kyoiku02-100002607_11.pdf

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トランスクリエーション

「トランスクリエーション」という言葉を皆さんはご存じでしょうか?
多くの方にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、「トランスクリエーション」は現在、広告やマーケティングなどの分野で注目されている翻訳の手法です。
本日はそんな「トランスクリエーション」について学んでいきましょう。

「翻訳」+「創造」?

トランスクリエーション(transcreation)とは、「翻訳(translation)」と「創造(creation)」を組み合わせた造語です。
トランスクリエーションは簡単に言うと、「意訳して、訳文に訴求力やインパクトを持たせる」ことを意味します。
しかし、「意訳して、訳文に訴求力やインパクトを持たせる」と言われてもピンとこないかもしれません。
「トランスクリエーション」を理解するうえでは、トランスクリエーションの実例をみてみるとよいでしょう。

洋画のタイトルにみる――トランスクリエーションの実例――

映画のタイトルでは、トランスクリエーションの技術が使われています。
例として、「アナと雪の女王」の原題を上げてみましょう。
「アナと雪の女王」の原題は「Frozen」。日本語にすると「寒さで凍った、氷結した」などの意味となり、日本の子どもたちにとっては寒々しいイメージしか浮かび上がらないかもしれません。
しかし、こちらの原題「Frozen」を「アナと雪の女王」へと「トランスクリエーション」することで、ディズニー作品らしいファンタジックなイメージを持つ邦題に変わりました。

トランスクリエーションの活用

今回はトランスクリエーションの例として、外国映画の魅力的な邦題を紹介しました。
日本の作品でも、スタジオ・ジブリの名作「千と千尋の神隠し」があります。
こちらの英語版タイトルは「spirited away」で、「神隠し」を意味します。
邦題に比べるとびっくりするくらいに短く、シンプルになっていますね。

アカデミー賞などで、日本映画が候補に挙がった時などに海外に向けて英訳されたタイトルをチェックしてみると、新しい発見があるかもしれません!

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