アニュアルレポートにとってのユーザーエクスペリエンスを理解する

すべてをコントロールしようとしない

ユーザーエクスペリエンス(UX)への注目が高まり、グローバル企業もあらゆる領域のUXに注力するようになってきています。IRコミュニケーションも例外ではありません。

UXには企業側がコントロールできる部分と、コントロールできない部分があります。ユーザーの反応自体をコントロールすることはできませんが、望ましい反応を得ることを目指して製品やシステム、サービスをコントロールすることはできます。

アニュアルレポート設計のポイント

UXの視点はアニュアルレポートにも応用することができます。特に、次の考え方を取り入れることをお勧めします。

  1. 直感的にレポート内の移動ができるようにする
  2. 読者が求めている情報へアクセスできるような構成にする
  3. 重要な情報に適切なタイミングでアクセスできるようにする(例:別のセクションにジャンプするためのプロンプト、詳細なコンテンツへのハイパーリンク)

優れたUXを実現させる7つの要素

フォーチュン500社UXアドバイザーのピーター・モービル氏は、優れたUXを実現するために取り入れるべき要素を7つ提案しています。読みやすいアニュアルレポートを作るために活用できるので、参考にしてみてください。

  1. 利用者の役に立つ
  2. 使いやすい。特に第一世代の製品において、ユーザーが製品を使って効果的かつ効率的に目的を達成できる
  3. 情報を見つけやすい
  4. 信頼できる。提供される情報が正確で、情報源(経営陣)が信頼でき、時間が経っても内容に一貫性がある
  5. 魅力的である。ブランディング、イメージ、アイデンティティ、美学、レイアウトなどがデザインで伝えられている。魅力的な製品はより記憶に残りやすく、肯定的な口コミが期待できる
  6. アクセシビリティ。難聴、視覚障碍、運動障碍、学習困難など、何らかの障碍を持つ方たちの使いやすさを考慮することで、誰にとっても使いやすいコンテンツになる
  7. 価値を提供している。IR担当者が企業活動を説明する際に使う「価値創造」という言葉は、投資家にとっての価値を生みだすという点においても大切