字幕翻訳とボイスオーバーについて

近年、動画を視聴して情報を得る人も多いのではないでしょうか。弊社でも、会社案内や説明会の動画配信などの字幕翻訳やボイスオーバーについて、多くのお問い合わせをいただいております。

そこで、今回は字幕翻訳とボイスオーバーについてポイントをお伝えします。

字幕翻訳について

通常の翻訳対応とは異なり、尺を合わせることが必要になります。字幕翻訳時は、1行に表示するテキストは、読点(、)が不要な程度の長さが望ましいでしょう。短めになるように調節し、読みやすく簡潔に翻訳します。限られた時間の中で一番大事な情報を伝えるために、直訳より意訳のほうが字幕翻訳に使われています。

尺合わせについて

1秒間に4文字を目安にできるだけ端的に訳出し、その後のボイスオーバー時に、動画内にきちんと音声が収まるように、尺合わせをしています。人間が視覚から得る情報量は、全体の約80%を占めるとされているため、いかに重要な情報を時間内に訳出するかがポイントになってきます。

話者の特徴について

オリジナルの動画が英語の場合、日本語では話者の特徴にも気を付ける必要があります。どのようなイメージや雰囲気にしたいのか事前に把握し、適任のナレーターが担当できるようにします。例えば、「○○だわ」と「○○なのだ」では、動画の印象も異なってきます。聞き手にとっては、語尾1つで印象が変わります。

上記のように、通常の翻訳とは異なり注意すべき点がありますが、適任の翻訳者で対応することで、品質の高い、字幕翻訳やボイスオーバーとなります。

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字幕翻訳:普通の翻訳より難しいのはなぜ?

映画やインタビューなどの動画を見ていて、セリフと字幕が違うと思ったことはありませんか。「翻訳の漏れ?間違い?」と疑問に思った方が多いのではないでしょうか。

字幕翻訳は普通の翻訳と比べて難易度が高いとよく言われますが、それはなぜでしょうか。そこで字幕翻訳の基本ルールをいくつ紹介したいと思います。

① 文字数制限と表記ルールを遵守する

動画を見るときに、人が1秒間に読める文字数はおおよそ4文字と言われています。動画の1コマの尺の長さは最大で7秒くらいまでとなるため、画面に表示される文字数は最大28文字です。2行に分けた場合はそれぞれ14文字となります。限られた時間内で一番大事な情報を伝えるために、直訳より意訳のほうが字幕翻訳によく使われます。また、字幕は文字で情報を伝達することを優先しますので、基本的に文中や文末の句読点は不要で、代わりにスペースや改行を使います。

② 視聴者の文化背景を意識する

オリジナル動画は基本的に母国話者に向けて作られているため、そのまま訳しても、異なる文化背景の人にとっては意味が通じないことがよくあります。その場合、視聴者に分かりやすい表現に変えるか、補足説明を入れることが効果的です。

③ 一貫性を重視する

字幕翻訳をする際には、一通り映像を見て流れを把握してから翻訳を開始することをおすすめします。特にストーリーの伏線が張られている映像に関しては前後の用語と言い回しの統一が求められるので、全体像を理解した上で翻訳すれば、より正確で表現力の高い字幕となるでしょう。

弊社では会社の紹介動画や研修・セミナーなどで使われている動画の翻訳を多数対応しておりますので、もし字幕の翻訳に悩まれている方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください!