AIにコントロールされないためのマインドセット
AIが社会に浸透することで、仕事の本質が変わりつつあります。従来、仕事で成功するために重要だと考えられてきた知能指数(IQ)や感情知能指数(EQ)ですが、これだけでは不十分だという見方が広がっています。成功するために最も重要なスキルは、適応し、学び、学び直し、再学習し続ける能力であるとし、AI専門家のJeff Bullasはこれを「適応指数(Adaptability Quotient)」またはAQ※と呼んでいます。これはIRの世界も例外ではありません。
永遠に続いていく変化に消極的に反応するだけではなく、積極的に学んでいく姿勢をとることで、AIは仕事を奪う敵ではなくなり、仕事を効率化する強力な味方となります。
※逆境知能指数(Adversity Quotient)の方がAQと呼ばれることが多いですが、意味は類似しています。どちらもAIが対応する時代に重要だと説かれています。
不安に押しつぶされないための4つのマインドセット
AIの特徴のひとつにスピードがあります。ものすごいスピードで変化するAIに置き去りにされる不安や、ついていくプレッシャーを感じているのは誰にでも共通しています。そんな不安に押しつぶされず、AIを味方につけるための4つのマインドセットを紹介します。
成長マインドセットを身に着ける
AIを脅威と見なすのではなく、仕事に役立つツールとして捉え、AIに関する学習を成長の機会と捉えます。感情分析、コンテンツ作成、データ可視化などIRの様々な分野で役立つAIツールについて積極的に学びます。
反脆弱性を備える
反脆弱性とは不確実性を通じて成長につなげる性質を指します。AIに抵抗するのではなく、AIから恩恵を得るシステムを構築します。例えば、投資家向けのメッセージやプレスリリースについて複数のバージョンを用意し、AIでテストすることで、共感を呼ぶバージョンを特定できます。
継続的改善を実践する
AIの導入はゆっくり着実に進めましょう。大規模なアナリストレポートを要約するためにAIツールを使用するなど、少しずつ管理可能なタスクから始め、そこから発展させていきます。一度に大きなリスクを伴う変更を行うよりも、少しずつ着実に改善を進める方が効果的です。
目的との整合性をもつ
IR担当者の使命は、株主との信頼構築や長期価値の創出です。AIツールがこの目的に貢献するのかを常に自問します。こうすることでシャイニー・オブジェクト症候群※を防ぎ、本当に重要なツールにリソースを投資することができます。
※新しい機会やトレンドに追いつこうとするあまり、本来の目的から逸脱し、結果的に何も達成できない状態
IRの未来はAIとの競争ではなく、投資家とのより効果的で透明性が高く価値ある関係を構築するための協働にあります。AIが自分の仕事や人生のプラスになるように 、活用していきたいものです。
参照:
https://www.jeffbullas.com/ai-disruption-survival-guide/
