2021年に読まれた記事ランキング

2021年に最も読まれた記事をジャンル別にご紹介します。見逃した方はぜひご覧ください。

IR部門

1位:決算発表のバズワード「サプライチェーン」 的確なコミュニケーションで投資家の信頼を勝ちとる(2021年12月号)
2位:ESG開示:情報量の多さが株価に悪影響?!(2021年9月号)
3位:コロナがもたらしたIRへの変化3選(2021年6月号)

翻訳部門

1位:その敬語、間違っていませんか?(2021年11月号)
2位:「用語集」はお持ちでしょうか?(2021年10月号)
3位:意外と知らない英語の数字ルールとは?(2021年6月号)

YouTube部門

1位:バフェットさんの「株主への手紙」の読みやすさをマイクロソフトのツールで測ってみた!その結果は…(2021年2月投稿)
2位:言葉から行動へ―SDGsとプレイン・ランゲージ(2021年7月投稿)
3位:読者にストレスを与える「悪文」を書いていませんか?(2021年4月投稿)

エイアンドピープルのYouTubeチャンネル『プレイン・イズ・ベスト【伝わる力】』では「速く」「効率的で」「理解しやすい」コミュニケーション術を動画でわかりやすく紹介しています。
ぜひチャンネル登録をお願いします。

メルマガ担当者による2021年の振り返り

コロナがもたらしたIRへの変化

2021年は、ニューノーマルという言葉が現実味を帯びた1年でした。新型コロナウイルスのパンデミックによる変化が一時的なものではなく、今後定着してくことを実感した方が多いのではないでしょうか。

6月号では、特に今後も変化が加速して続いていくと考えられる注目トレンドの下記3点を紹介しました。

-ポートフォリオマネージャーの存在感の増大
-デジタル化のさらなる促進
-ダイバーシティ&インクルージョンの浸透

特にデジタル化の促進については、日々の業務だけではなく、ビジネスのプロセスを根本的に変えていく変化となる可能性を秘めています。

ダイバーシティ&インクルージョンというコンセプトや言葉を日本でも耳にするようになり、関連した方針をホームページに掲載する大企業も増えてきています。今後、この考え方が時間をかけてサプライチェーン全体に及んでいくと考えられます。

ポートフォリオマネージャーの存在感については、米国で起きている変化ですが、海外企業のIR活動に携わる際に目にすることが多くなった変化でしょう。

AIがIR翻訳を変える

2021年の記事を書くにあたって特に印象に残っているのが10月号「AIを活用して投資をする時代へ」です。AIが進化を続け、投資やIRの世界にも大きな影響を与えるようになっています。

IR資料を英語に翻訳することが多い日本企業にとって影響の大きいトレンドです。直訳とプレイン・イングリッシュのどちらを選ぶべきか、そして人間による翻訳と機械翻訳のどちらを使うべきかという議論をする際に、大きな影響をもつ情報です。

自然言語処理(NLP)は、人間の耳が聞き逃したり、誤解してしまうような情報も収集することができるシステムです。コンテンツがどのように表現されているか、つまり言葉遣いや単語数、構文の複雑さなども情報として処理されることが特徴です。

「曖昧さ」や「冗長性」は悪いニュースの象徴?

S&Pグローバルマーケットインテリジェントがとても興味深い調査結果を発表しています。企業の経営チームは、悪いニュースを伝えるときの方が、より複雑な構文でより多くの単語を使うのです。S&P 500社の場合、業績発表でネガティブなニュースを開示するときの方が、1文あたりに使われる単語数や3音節以上の単語数が平均よりも多いことがわかっています。

日本企業がグローバルに活躍するにあたり、直訳は意図しないリスクや悪影響を生んでしまいます。日本語では曖昧な表現が一般的なことから、直訳された英語は文が長く構文が複雑です。これを説得力や透明性に欠ける望ましくない文であるとNLPが判断してしまうのです。

この問題は、直訳をせずプレイン・イングリッシュを活用して翻訳することで解決できます。プレイン・イングリッシュでは、直接的で簡潔な言葉を使い、不要な複雑さや曖昧さは使いません。そのため、NLPが台頭することで、プレイン・イングリッシュが活用される流れが生まれる可能性があります。

プレイン・イングリッシュが活用されるからといって、機械翻訳が役に立たないわけではありません。両方のツールを活用して、意図が伝わる効果的なコミュニケーションを実現させていきましょう。

また、日本語も同様に、今後幅広い投資家を対象とした場合、今まで通りの曖昧な表現が許されるのかという点は議論が必要です。忙しい投資家が情報を速く、誤解なく理解できる工夫を日本語資料に対しても行っていくことが望ましいでしょう。