複数回にわたるPPT資料のご依頼方法について

決算資料の同時開示を行う場合、スケジュールを優先し、日本語作成と同時並行で翻訳作業を行い、更新版の差し替え入稿を複数回行うことがあります。この場合、前稿からの変更箇所、つまり差分の確認が非常に重要です。Wordは2ファイルを比較し容易に変更箇所の確認が可能ですが、PowerPoint(以後PPT)は2ファイル間の比較ができません。
弊社ではPPT資料の同時開示の場合、入稿は3回以内でスケジュールを組み、前稿からの変更箇所をお客様に明示していただいたうえでのご入稿を推奨しております。
そこで今回は、効率的なPPTのご依頼方法と作業範囲の指示方法についてご紹介します。

PPTご依頼方法

① 初稿は確定箇所のみ依頼
数字など変更が予想される箇所については「対象外」として、確定した部分のみを「対象」としてご依頼いただくのがスムーズです。

② 2稿以降もファイル全体を入稿する
変更があったスライドのみ入稿いただくと、対応する初稿のスライドとの確認作業が発生します。変更箇所のないスライドも含め、ファイル全体を入稿いただくことを推奨いたします。

作業範囲の指示方法

① ハイライトやオブジェクトで記載
変更箇所にハイライトをつけたり、「翻訳対象外」「追加」など大きく記載したオブジェクトを該当箇所に貼り付けていただくと、一目でわかりやすいです。

② コメントで指示
文字情報ではなく、レイアウトの変更や画像の差し替えがある場合は、コメントで指示いただくと、変更箇所がより明確になり、確認漏れも防ぐことができます。

上記のように、ご入稿のたびに作業範囲を明確に指示いただくことで、変更箇所の確認や追加翻訳を効率よく進めることができます。同時開示という限られた時間内でスムーズに翻訳を完成させるためのコツとして、ご参考にしていただけますと幸いです。

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決算発表のバズワード「サプライチェーン」 的確なコミュニケーションで投資家の信頼を勝ちとる

新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、サプライチェーンの混乱が世界的な課題となっています。決算やニュースリリースにおいて、サプライチェーンという言葉を今まで以上に耳にするようになったのではないでしょうか。

Bloombergによると、10月5日の時点で、2021年の決算説明会で3,000回サプライチェーンという言葉が使われました。ちなみに、2020年は通年で2,000回使われたということです。サプライチェーンについて説明される場は、確実に増えています。

投資家が関心をもつ課題ながらも北米での優先順位は低め

サプライチェーン問題はステークホルダー関連の課題に位置付けられています。ステークホルダー関連の課題には、カーボンニュートラルやカスタマーリレーションなども含まれます。

IR Magazineの10月19日の記事によると、ステークホルダー関連の課題の中では、サプライチェーン問題の優先度は企業にとってそこまで高くありません。一方で、投資家が高い関心を寄せている分野でもあります。ただし、北米に限定すると、企業は積極的にサプライチェーン関連の課題を投資家に説明していますが、投資家にとっての優先度は低くなっています。

課題を戦略的に説明する

いずれの場合も、サプライチェーン問題への過剰なフォーカスに、投資家は懸念を感じています。サプライチェーン問題を体のいい隠れ蓑に使って、業績低迷の理由をしっかり説明しないことを危惧しているのです。

そのため、サプライチェーン関連の課題を投資家に説明する際には、的確かつ十分に、さらには戦略的な視点で説明する必要があります。

企業の歴史、現在置かれている状況、持続可能な長期的価値を実現させる戦略などとの関係を明らかにして、的確かつ簡潔に説明することが投資家からの信頼を得るコミュニケーションのポイントとなります。