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A&Peopleは、そうした素敵な方々と業務を通じて、助力となるべく連携させていただけることを誇りに思っています。

vol.10 足立 英里さま

スカパーJSAT(ジェイサット)株式会社 広報・IR部

情報を如何にわかりやすく伝えるかが今後のミッション

具体的な数値やわかりやすい例を挙げての会社や業務についての説明はとても説得力があり、足立さまの日頃の徹底した情報収集・整理の様子がうかがえました。

「People」第10回目は、スカパーJSAT株式会社 広報・IR部の足立さまのご紹介です。A&Peopleでは、決算説明会や海外投資家向けの資料の英訳をお手伝いさせていただいています。

具体的な数値やわかりやすい例を挙げての会社や業務についての説明はとても説得力があり、足立さまの日頃の徹底した情報収集・整理の様子がうかがえました。

[取材者:堀越 佳代子]

業界をリードする2社が統合、BtoCとBtoBの両ビジネスを並行展開

カパーJSAT(ジェイサット)ホールディングスは、“スカパー!”で知られるスカイパーフェクト・コミュニケーションズと衛星通信を手がけるJSATとが経営統合して2007年に誕生。
前者は有料多チャンネルのプラットフォーム事業を運営するBtoCビジネスを、後者は主に官公庁やインフラ産業をクライアントとするBtoBビジネスを展開しています。統合にはどのような意図があったのでしょうか。

衛星通信は“暮らしの安心・安全を支える”汎用性の高いインフラです。ガスや電気などのユニバーサルサービスを提供する企業や官公庁がバックアップ・監視システム用の回線として利用していることもあり、利益率も高く、安定した収益があります。一方、有料多チャンネルは契約者・チャンネル数の伸びが見込まれる成長事業領域。両者が手を結ぶことで、事業基盤が確固たるものとなり、新しいサービスをより好ましい形で提供できるようになりました。

「“スカパー!”は、自分の趣味や嗜好で選べるショッピングセンターのようなもの」

地上放送のデジタル化、放送・チャンネルのハイビジョン化と放送業界は大きな転換期を迎えています。有料多チャンネルは、これまでの放送とどう違うのでしょうか。

21世紀はファッションも生活も自分の趣味や嗜好で選べる時代。テレビ番組も、有料でも観たいものを選びたいという方が増えています。“スカパー!”というサービスは、当社が管理するビルの中に各チャンネル事業者がテナントを構えるショッピングセンターのようなもの。さまざまなジャンルのチャンネルがそろい、チャンネルの選択・追加・変更が可能です。
また、(地上波の)民放局と違い、例えば野球なら同じ時間帯に行われている違うチームの試合をそれぞれ別のチャンネルで放送したり、一つのサッカーの試合をチャンネルごとに異なるカメラアングルで放送できたりするのも、多チャンネルならではの魅力といえます。

「他では観られない魅力的なコンテンツの提供に力を入れています」

コンテンツの制作は番組事業者、放映スケジュール管理やお客様の管理は当社という棲み分けも、民放局と異なる点です(ただし、Jリーグ全試合、アニメ・映画の一部は自社で制作・放映)。コンテンツには、ケーブルテレビなど他のサービスでも放送されるものもあれば、10月から放映の始まったDATVのアニメ版『冬のソナタ』のように、“スカパー!”で独占放送されるものも。

“スカパー!”の魅力は、コアなファン層にどれだけ魅力あるコンテンツを提供できるか。コンテンツの開拓・獲得では、各番組事業者の10年間積み重ねたノウハウが大きな強みとなっています。
また、当社でも、自主番組として他では観られない魅力的な大きなコンテンツの提供に力を入れています。『2010ワールドカップ南アフリカ全64試合生中継』もその一つ。“スカパー!”のバロメーターは視聴率ではなく、契約件数なので、サッカーや野球などのスポーツや、ドラマ、音楽、アニメなど、視聴するきっかけ作りが欠かせません。

情報を如何にわかりやすく伝えるかが今後のミッション

当社が今もっとも注力しているのが『ハイビジョン100チャンネル体制』で、現在の58チャンネルを今年度中に70、2010年には85、最終的に100チャンネル以上に増強すべく各チャンネルのハイビジョン化を進めています。

ハイビジョン化に際しての障壁も、衛星事業を行っていたJSATとの統合によって乗り越えやすくなったそうです。

地上放送のデジタル化を機に大型のハイビジョン対応のテレビを購入する方が増えているのに、チャンネル数はまだ少ない。せっかくのハイビジョンなのに、観たいコンテンツで楽しめないのはもったいないですから。ハイビジョンチャンネルは着々と増えているので、そのPRが今後の私たちの課題です。

「わかりやすさや完成度を追求していく」

足立さまは5年前からJSAT(現在:スカパーJSAT)のIR担当者として、法人・海外・個人投資家への情報提供を担当、リリースやWEB、アニュアルレポートといったツール作りを手がけていらっしゃいます。
ここ数年は2007年のスカパーJSATホールディングス(持株会社)の設立、2008年の宇宙通信の子会社化、加えて同年に事業会社のスカイパーフェクト・コミュニケーションズとJSAT、宇宙通信の統合と“大仕事”続き。放送業界は未知の世界で、“社内にいながら転職したようだった”とか。

『“スカパー!”ってどんなサービスを提供しているの?』からのスタートでした。とにかく各部署に足を運んで、わからないことを聞いて回りました。情報源を把握し、社内の調整ができなければ、適切な情報提供はできませんから。
これまでは、タイミングに合わせて情報発信することが目前の課題で、情報の収集・整理に追われていましたが、今後はさらにわかりやすさや完成度を追求していかなくてはと思っているところです。プレゼン用の資料も分量が多くなってしまいがちで、『ずい分なボリュームがあるね』と言われてしまうことも。よりわかりやすくコンパクトにまとめていかないといけないですね。

人の役に立ちたいという想いがモチベーションであり、人に満足してもらえることがやり甲斐であるとおっしゃる足立さま、コミュニケーション能力が要求される広報・IR業務はまさに天職のようです。

全体をふまえた柔軟な対応に満足――A&Peopleへの期待

「海外投資家への説明にはプレゼン資料が欠かせません」

A&Peopleでは、2007年のスカパーJSATホールディングスの設立直後から、決算説明会資料や海外投資家向けの資料など英文ツールの翻訳をお手伝いさせていただいています。

海外投資家は10%前後なのですが、日本にはNHKや無料の地上波放送が普及していることなどから、衛星放送の普及率が低いなど(アメリカは90%以上、イギリスは約45%、日本は20%)特殊な事情が多く、海外投資家への説明にはプレゼン資料が欠かせません。翻訳は、文章を英語に訳すだけでなく、スライドの中に入れた状態で理解してもらえるものでないと困るんです。
その点、単に英文にするだけでなく、レイアウトも含めて全体をみながら翻訳していただけるので、助かります。納期では無理なお願いもありますが、そちらもかなり柔軟に対応していただけて…

日本語を単に英語に置き換えるのではなく、英文の媒体として完成されたものに仕上げる、これは弊社でも肝に銘じている点です。WEBのリニューアルも予定されているとのことですが、今後も媒体に合わせた成果物をご提供させていただきます。

好奇心旺盛で人と関わるのが好きという足立さま、IRのセミナーやイベントにも積極的に参加されるなど多忙な毎日を送られていますが、どのようにリフレッシュされているのでしょうか。

まずはおいしいものを食べる、そして寝る、ゆっくりお風呂に入る。強いて言えばこの3つが趣味でしょうか(笑)。単純ですけど、オン/オフを切り替えることで自分のリズムを保っています。
テレビ(もちろん“スカパー!”)もよく観ますね、平日に録り貯めておいて休日にまとめて。海外ドラマ(アメリカのSFドラマ『HEROES』にハマリ中)とかサザンのライヴとか…

今回のインタビューでは、普段のやりとりではうかがえなかったお茶目な一面も見せていただきました。足立さまのテキパキとした仕事ぶり、周囲とのコミュニケーションを大切にされている姿は、同世代の私にとって大きな刺激となりました。