
法律の理解と遵守
国民の安心・安全
国民の不利益を回避
市民生活の向上
インターネットの普及により、ヒト・モノ・カネや情報がボーダレスに行き交う現代社会では、明確で分かりやすい、円滑なコミュニケーションが求められています。また、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みにおいては、明確・公正・透明性のある対話が求められています。
プレインランゲージとは
「速く」「効率的」「理解しやすい」伝達法
プレインランゲージ(プレインイングリッシュ、プレインジャパニーズなど)とは、「速く」読め、「効率的」にポイントを見つけることができ、そのポイントを「理解しやすい」、一言でいえば「読みやすい」文章を書くためのガイドを体系的にまとめた情報伝達術です。
読みやすい文書は、読者のストレスを軽減します。イメージとしては、会話と同じリズムでスムーズに読め、内容がダイレクトに頭に入る次のような文章です。
- visually inviting:まず読んでみようと視覚的に思わせるレイアウトになっている
- logically organized:読者に必要な情報が論理的にわかりやすく整理されている
- understandable on the first reading:一読して理解できる
- in simple word:一般的に使用する平易な言葉で表現されている
プレインランゲージのメリット
世界を取り巻くプレインランゲージの動き
欧米を中心に諸外国では、オンライン上の規制や法整備も2014年から進んでおります。その多くに、プレインランゲージによる明確な説明責任を果たすことが記されています。
英語圏以外の国、ポルトガル政府もプレインランゲージが採用されています。
Plain English& Language

イギリス政府:公正取引局、政府機関
1970年代後半特定の消費者契約を平易な言葉で表記
地方自治体、厚生サービスおよび大手金融会社などにも普及

カナダ政府
2012年「市民とのコミュニケーションに必ず平易な言葉と適切な文法を使用する」と宣言

オーストラリア政府:州政府・法律専門家
所得税、交通安全に関する法律を平易な英語で表記

フィンランド政府
2011年所得税、交通安全に関する全ての法律、総務省は市民とのコミュニケーションにおいてプレ
インランゲージの使用開始

ノルウェー政府
「公的サービスにおけるプレインランゲージの使用」プログラムを開始(2009年)

EC(独、仏、蘭、西他)
情報を読みやすく理解しやすくするためのヨーロッパ規格(2014)
個人情報保護法、「オンライン・プラットフォーム」(2016)

ニュージーランド政府
プレインランゲージ法案の提出(2017年)

南アフリカ共和国
消費者とのコミュニケーションにおいてプレインランゲージの使用を義務付ける政府法令
(1998年、2008年)

フィリピン
政府が取り扱う文書にプレインランゲージの使用を求める法案「Senate Bill 1911」提出(2020年11月)
日本のプレインジャパニーズの動向
日本でも各省庁でも2018年頃から、徐々に諸外国に追随する形で法律や規則に平易な表現を使用し、説明責任を果たすことを記しています。
プレインジャパニーズと機械翻訳(MT)
プレインランゲージは機械翻訳との親和性が高く、機械翻訳による翻訳の精度が向上します。日本語をプレイン化すれば、プレインランゲージへの翻訳も容易になります。
サプライチェーンの国際化、外国人労働者の増加、観光立国、多くの人が外国人とコミュニケーションしなければならない時代において、日本語を母国語としない方々とのコミュニケーションにも役立ちます。

異なる『プレインジャパニーズ』と『やさしい日本語』
プレインジャパニーズ
外への、そして内なるグローバル化の時代に責任ある文書を、日本人と外国人の双方に発信する行政やビジネス・行政・法律のためのコミュニケーションスキル
やさしい日本語
外国人観光客や日本語を学んでいる外国人と片言の日本語でコミュニケーションするためのスキル

下記のサイトにて、プレインランゲージについて、より詳しくご紹介しています。
日経マーケティングポータル:ビジネスパーソンのためのグローバルコミュニケーション講座 Vol.3