ISO、2019年9月に「プレイン・ランゲージ(平易な言語)」の国際規格化を採択

多様な人々が集うグローバルな社会では、内容が速く正確に伝わる、わかりやすいコミュニケーションが求められています。

現在では、どの国においても、SDGsやESGをキーワードとして、活動の公正さ、透明性、社会性が問われており、ステークホルダーへの適時・適切な情報開示において「プレイン・ランゲージ(平易な言語)」の重みがますます増しています。

私たち日本人にはあまり馴染みのない「プレイン・ランゲージ」ですが、英語圏に限らず、ヨーロッパや南米でも自国の言葉をプレイン・ランゲージ化する動きが盛んです。これからは日本でも、官民問わず、明確でわかりやすいコミュニケーション法が求められることでしょう。

そうした中、ISO(国際標準化機構)は、「プレイン・ランゲージ」を国際規格化することを2019年9月に採択しました。現在、ISO TC 37(言語及び専門用語に関する専門委員会)のWG11(プレイン・ランゲージに関する作業グループ)では国際規格のドラフトを作成しています。規格ができるだけ多くの国で使用できるよう、作成委員の国籍も多彩です。

国際規格が完成するまでには数年かかることが予想されますが、本メールマガジンでも情報をお伝えします。詳細は日本初のプレイン・ランゲージ推進団体Japan Plain English and Language Consortiumのホームページをご覧ください。

ESG関連のコミュニケーションをアップグレードする

▼ 株主が求めているのは定量化
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IRマガジンが主催したESGインテグレーション・フォーラム
ヨーロッパでのインタビューで専門家が次のことを述べました。

・ESG 情報をリリースする企業は、企業の収益性とビジネスモデルの
持続可能性に結び付けることが求められている
・投資家にとって重要なことは、(企業が)取っている行動や、
ビジネスモデルに影響を与えているESG要因を定量化できること
・特定のビジネスモデルは20~30年後にはなくなっているかもしれない

▼ ESG情報を市場に配信する最善の方法とは?
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・企業が投資家にサステナビリティ情報を知らせるために
特定のESGロードショーを実施する必要はない
(通常のロードショーに統合することができる)
・株式投資家と債券投資家の両方が、ビジネスモデルに影響を与える
ESG要因をすべて認識できるようにする
・ESG情報を企業のウェブサイト上で開示する
(ウェブサイトは投資家が最初に見に行く場所)
・企業のサステナビリティプログラムに関して、取締役会と
投資家対応担当の経営幹部をループに入れておくことが重要

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◆ 参考・出典一覧
IR Magazine 2019年12月4日
『How to upgrade your ESG communications』
https://www.irmagazine.com/esg/how-upgrade-your-esg-communications

株主招集通知におけるESG開示、大幅に進化

専門家によると過去3年の間に、株主総会招集通知における
ESG開示は大きく進化してきました。
企業はESG関連のさまざまな課題に直面しており、
その重要度もさまざまです。
しかし、全体として株主総会招集通知におけるESGセクションは
毎年拡大しており、充実してきています。
株主総会招集通知におけるESG開示の進化の過程としては、
次のプロセスをたどっています。
1年目:「ESG課題に注目しています」
2年目:「これが私たちのESGゴールです」
3年目:「ゴールに対する進捗はこのようになります」

また、取締役会のリスク監視、役員採用、株主エンゲージメント、
取締役会評価、報酬設定などの取締役会プロセスの開示においても
進化が見られます。企業はこれらのプロセスや、その仕組み、
結果を開示するようになっているほか、開示にあたってビジュアルを
有効活用するようになってきています。
このようなことを行っている企業はほんの数年前までわずか数社でしたが、
今では実施している企業は数十社となっています。
そのほか顕著な傾向として、CEOからのあいさつだけに留まらず
独立役員または独立取締役会長からのあいさつを記載する企業が
増えてきています。さらには、事業戦略と役員報酬の関係の詳細を
開示したり、取締役を身近に感じてもらうために
取締役の写真や個人的な情報を掲載したりするなど、
ESG開示の進化は進んでいます。

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◆ 参考・出典一覧
IR Magazine 2019年10月8日
『Report highlights evolving ESG disclosure in proxy statements』
https://www.irmagazine.com/reporting/report-highlights-evolving-esg-disclosure-proxy-statements