IRの変遷10年

▼ ファイナンスからデータサイエンスへ
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未来を予測するのは難しいことですが、IRはファイナンスに
重点をおいた役割から、データサイエンスへと立ち位置を変えて、
さらに進化すると予測されています。

▼ 金融危機によりIRへの要求が変化
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2010年の金融業界は、依然として世界金融危機の影響を
引きずっていました。ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインは
国として実質的に破産しており、大手銀行の業務は行き詰まり、
世界中の中央銀行が大胆な金融政策を迫られました。

この金融危機はIRへ大きな影響を与えました。2007年以前は、
IRの役割の大部分がコミュニケーションであり、
会社に有利な成長ストーリーを伝え、投資家に対してアピールすることが
重視されていました。

しかし、金融危機の後、IRは新たな役割を求められるようになりました。
今後再び発生する可能性があるリスクを回避する方法や、
好景気の際の需要の増加にどのように対応するのかなどについて、
詳細な説明が求められるようになったのです。

また、これまでにないレベルのデータや詳細な情報の開示も
求められるようになりました。

▼ ファイナンスの専門家がIRを担当
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投資家はより詳細な情報や透明性を求めるようになり、
会社の財務をより細かく調査するようになりました。
これにより、IRから情報を自社に有利なように伝えるといった
スピン的な要素も消えていきました。

IRが金融業界との新しいパートナーシップを深めると同時に、
金融知識に精通した専門家がIRを担当するようになりました。
金融業界に精通したIROが生まれることで、アナリストや投資家と
対等な立場も築かれるようになりました。

▼ テクノロジーに造詣の深いIRの必要性
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そして現在、IRは新たな転換期を迎えています。
テクノロジーによって投資環境が変わってきており、IRも対応を
迫られています。アナリストは機械学習と自然言語処理を使用して
企業の株式の動向をチェックするようになり、投資家はアルゴリズムや
スマートコンピュータプログラムを通じて取引するようになっています。

▼ IR成果の定量化の可能性
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2020年代には、企業評価に影響を与える要因をデータサイエンスを
使用して分析するのと同様に、企業の株式市場でのパフォーマンスに対する
IRの貢献度を特定できると予測されています。

これは、IRのROIを正確に定量化できるようになることを意味するため、
長年問われてきた「IRの役割とは」という疑問にある程度の答えが
与えられることになりそうです。

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◆ 参考・出典一覧
IR Magazine 2019年12月12日
『The 2010s in review: Investor relations – From finance function to data science』
https://www.irmagazine.com/technology-social-media/2010s-review-investor-relations-finance-function-data-science